個人的にとても好き。
まず、音楽の寄り添い方が絶妙。
尾行は人の懐に土足で上がり込むような、すごく恐ろしいことをしている罪悪感。
人の秘密を知るという好奇心と罪悪感が入り交じる感覚。
この原初的な感覚は一体なんなのだろうか。
尾行を通して彼女は人の繋がりの中にある嘘と誠に触れる。
そして、自分自身の暮らしやそばにあるものとの繋がりすら揺らぐ。
今までやり過ごしてきていた見過ごしてきたことが透き通ってくる。音をたてて剥がされていく。
その微妙さ、儚さは人の美しさでもあり、残酷さでもある。
なんだか、とても深いテーマで考えさせられた。
門脇麦がとても良い。
あの瞳の危うさ、素朴さに惹き付けられる。
不思議な感性だ。