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テスター・ルームのoden8のレビュー・感想・評価

テスター・ルーム(2014年製作の映画)
3.4
"生まれて初めて幸せになれそうな気がするの。イーヴィのおかげよ。"
by ジェーン

"順調と評価するなら。忍耐と勇気のおかげだ。"
"疑問を抱き、疑うのが人間の本質だ。"
by ジョセフ

実話を発想に系。
未知なモノに対して抱く疑心と恐怖。それらに対して傲慢でエゴな捉え方をしがちな悲しい生き物、ボクたち人間。

誰かを救いたい。
それが相手を想いやる優しい気持ちからなら些かの理解もできるのだろうけど…。
誰かの為にではなく、重心が"自分の為に"何かを勝ち得る手段に使われちゃうと…はぁっ??おクソ様でござぁますのかしら??ってなりますのよ。どんなに理由を正当化されようがね。そこに大儀が掲げられていようとも。少なくとも、僕は心がついていかないの。

ほんの半世紀前の物語。人智の理解を超越してしまった存在への畏怖が、人に与える影響を脚色して作られているのだろう。でも、あながち心象としては現実だろうが虚構でも大差がないのかもしれない。それ程に、特異な人に対しての汎用性がボクたち人類には備わってないのかもしれないよね。
この作品が、どの観点を最も伝えたかったのかが非常に感じ取り辛かったの。
一人の少女に降り注がれた悲劇か。
人類の無知とエゴが引き起こす残酷な行為の愚劣さか。
単なる恐怖の対象か。
それらは複合的に作用しているものではあるものの…。どこかに焦点を絞らないことには、作品としてのメッセージ性が薄れてしまうように感じちゃうよね。
だけど、観る側がどこかに焦点を絞れば。この作品は、そこまで的外れでもなく。すごく人間の恐怖に対する脆弱性を表現されてはるし。その被害者の苦しみも表現されているのかなぁと。なんて感じちゃう重さは感じたかなぁ。

大儀よりも仁義
恐怖を克服するための理解と思いやり
目の前の少女の痛みを感じとることのできへん輩に
人は救われない
無知なのが罪ではなく
人の痛みを感じとろうとしない
それが罪

悪魔と呼ばれれば
望もうが 拒もうと
悪魔になってしまえるのが人
それほど人とは弱いもの

"ここへ来る前は、自分が嫌いだった。"
"経験ある?名前を呼ばれても自分だと思えず。昔の写真を見ても、自分の顔がわからない。私はずっとそうだった。"
by ジェーン

"あんたは、自分の仮説に取り憑かれてるっ!!!"
by カメラマン ブライアン

Cast(役者·キャラ) 3.5
Story(物語) 3.5
Architecture(構成) 3
Picture(画) 3.5
Acoustic (音) 3.5
24-10
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