ヒロ吉

弁護人のヒロ吉のレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
4.2
DVDにて字幕鑑賞。

あらすじは裁判官を辞めて釜山で弁護士を始めたソン・ウソク
全国区デビューを控えるほどと様々な案件を控える売れっ子弁護士となるが、お世話になってる食堂の息子が行方不明になってる情報が入り…というもの。

1981年、軍事政権下の韓国で起きた冤罪”釜林事件“を元にした法廷劇ドラマ

日常パートが案外長かったが、少しずつ軍事政権の闇が蝕んでくる…

始めは「デモなんてやってる奴が…」と思い、同級生の記者と喧嘩をする始末

しかし、実態はTVも新聞も嘘を垂れ流す時代
アカと疑いが掛けられたらそいつはアカ
反政府組織の一員

法を超越したこんな勝手が許されていいのか?
検察、裁判長含め法廷前もテキトーにやろうぜ感が酷い…

非国民!と罵られようとも公権力と乱用の有無に焦点を絞り、怒りに満ち真っ向から反論していく弁護士役ソン・ガンホの演技が熱い!

暴力紛いの尋問、拷問により神経がすり減っていくイム・シワンの演技が凄い良かった
傲慢にふんぞり返る姿が似合う拷問をしてた刑事張本人役にクァク・ドウォン
オ・ダルス、イ・ソンミンと脇を固めるキャストも豪華

拷問してた張本人を証人に呼んだ時には傍聴席をサクラ総動員で埋めるド汚さ

国民として当然の権利を主張するソン・ウソク、被告人達の訴え虚しく茶番と化す裁判の行く末も酷いし、刑事達も何のお咎めなしなのは酷いが、ラストは希望の光を感じた

最近『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』や『1987 ある闘いの真実』等、アカ狩りする警察の蛮行を観ていた分、今作も入り込みやすかった!
ヒロ吉

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