猫脳髄

弁護人の猫脳髄のレビュー・感想・評価

弁護人(2013年製作の映画)
4.4
1981年、軍事独裁政権下のプサン。高卒で苦学して裁判官になり、稼げるという理由で弁護士に転身したウソク(ソン・ガンホ)は、登記や税務相談などで荒稼ぎし、周囲の弁護士に白眼視されていた。そんななか、恩人である食堂の女主人の息子ジヌたち大学生が読書会に参加していたことを理由に公安警察に摘発される。ソウルで腕をならした公安のドンヨン(クァク・ドウォン)は激しい拷問で自白を強要し、有罪に持ち込もうとする。接見したジヌの痛ましい姿を目の当たりにしたウソクは、今まで目に入らなかった独裁政権の暴虐に驚愕し、事務長(オ・ダルス)たちが止めるなか、学生たちの弁護を引き受ける。

韓国元大統領ノ・ムヒョンや現大統領ムン・ジェインらが弁護を担当した「プリム事件」をモデルに、名優ソン・ガンホが俗物弁護士から民主主義の旗手となっていく姿を映し出す。ノンフィクションであることを割り引いても、三枚目に始まり二枚目に終わるガンホの演技をはじめ、役者もシナリオも見応え十分の法廷ドラマ。
猫脳髄

猫脳髄