さいとぅおんぶりー

東京無国籍少女のさいとぅおんぶりーのレビュー・感想・評価

東京無国籍少女(2015年製作の映画)
2.3
押井守の実写作品でもかなり楽しんで観れていた自分でもつまらないと感じた。
白を基調にして光が溢れるような絵作りもカメラそのものが悪すぎてボケたイメージビデオにしか見えず頻繁に差し込まれるモーツァルトもそれに合わさり陳腐化され耳障りで仕方ない物に。
今作では押井守の衒学的な台詞もなければ天使の卵の様な静謐さも欠けており作品上の心地よさをモーツァルトに委ねたのが失敗に見えるハッキリ言って気持ち悪かった。足首の蜘蛛や植木鉢のデッサンなど様々なメタファーが大量に散りばめられてるがこの作品を何度も観直して深く掘り下げたいと思えない。(2回観ました)

ストーリーはいつもの社会構造や虚構と現実を見せる様な内容でこの題材が観たくて観てるので文句は全くないし相変わらず面白い、終盤の殺陣もアイディアが豊富で良かった。
やりたいビジョンに対してあらゆる予算が追いついて無いのは結局いつもの事だけどそれらが悪い形で現れちゃった作品。