香港電影金像奨で最優秀主演女優賞を受賞したヴィッキー・チャオの「最愛の子」を観てみた。
残念ながら最後までヴィッキー・チャオ扮する誘拐犯の妻に感情移入出来なかった。誘拐した側がどんなに子供を愛していたとしてもエゴとしか言いようがない。誘拐された親としては突然の子供の行方不明に正常ではいられないし子供が返ってきても空白の時間は埋められない。
途中からポンポン以外に妹もいて妹は捨て子だったというシチュエーションも観客に倫理観を試しているような感じであまりいい気はしない。捨て子だったと主張しても主観でしかない。
中国の張家界へ行ったことがあるが4時間バスに乗っても民家が一件も見えず途中で降ろされたら完全に死ぬなと何度思ったことか。深圳から安徽省まで日本でいえば本州の端から端くらいの距離、当然言葉も違う。誘拐されたポンポンが発見されたことは奇跡に等しい。
実際誘拐された子供達は一体どれくらいいるのだろう。30年40年探し続けている親もいるという。行方不明者家族会で鼓励!鼓励!(グーリー!グーリー!)の掛け声も虚しく探し続けるのも限度がある。