ねこまるキャット

最愛の子のねこまるキャットのレビュー・感想・評価

最愛の子(2014年製作の映画)
3.8
『誘拐』×『子育て』
3歳の息子が誘拐され、田舎で他人に育てられ、見つけた時には両親の記憶がなくなっているというあらすじ。

実話ベースの作品となり、見た事を後悔するぐらいの"重さ"を覚悟して鑑賞しましたが、後悔は全くせず、見て正解でした。

中国映画という事で、人身売買のリアルすぎる胸糞悪さというものを警戒していましたが、そこに関しては大丈夫です。

むしろこの映画において悪者はいないので。誘拐犯は他界して、誘拐犯の母親は、捨て子を拾ったと聞いて育てていたという状況。

実の両親の子供への愛情、誘拐犯の妻の子供への愛情、どちらも本物の感情。

本人達の、"お互いに相手の気持ちが分かってしまう辛さ"というのは、見ていて心苦しくもあり、考えさせられます。

今の日本ではあまり関わりのない問題なのかと思っていましたが、調べたら全然他国の問題という訳ではないんですね。

"絶対に子供から目を離してはいけない"という潜在意識を高めるという意味でも、多くの人にこの作品を鑑賞してほしいなと思いました。

決して爽やかな涙を流せる訳ではありせんが、鑑賞してとても良かったです。