あびちゃん

戦場ぬ止みのあびちゃんのレビュー・感想・評価

戦場ぬ止み(2015年製作の映画)
-
「シアターの椅子に座って、ドキュメンタリーを見ている」という意識がまるで吹っ飛ぶ米軍基地 辺野古移設反対のドキュメンタリー。うちなんちゅう(沖縄の人)の怒りと涙、歓喜、そして絶望を、全身全霊でカメラという目で、見つめていた感覚。私もうちなんちゅうになって、共に声を上げそうになった。

おじいおばあが70年間、恨んでも恨みきれない米軍に、我慢して我慢し抜いてきたという事実は、本当に大きな事。なのに70年という年月の長さは、沖縄県警や機動隊にとっては、遠い昔の別世界の話として受け入れられてるんじゃないか…。工事現場のゲート前で行われる、うちなんちゅうの抗議活動に対し、表情一つかえない。でも、同じ人間である事には変わりないのだから、思う事は沢山あると思う…。でも…。
道路に寝そべって抗議しても、救世主オナガ知事が当選しても、どれだけ声を上げても、おばあが泣いても、政府は黙認という措置をとる。日本…なんという国だ。
昨日採決された安保法案もそうだけど、改めて、日本国民の声の小ささを実感した。
途方もない、ちっぽけな力が、国を変えるにはどうすればいいの?

このドキュメンタリーは事実を伝えるに過ぎないけれど、その生々しい事実を国民みんなが知ったらば、とても大きな力になる思う。無関心は、何かのきっかけで関心に変わる。そしてその関心が原動力になる。カッコつけでも何でもいいから、国民みんなに沖縄や国に対する関心が広まれば良いなと思います。