握った手のひらに爪を食い込ませるような、そんな映画。
人が喋るって本当に愚かで、喋れば喋るほど分かり合えない。家族の不安がまた声を呼んで、黙ることができない人々のシーンに胃を掴まれる。
確かに自分を介して、他の人の感情の吐露やぶつかりが起こるのに、常にそこに当事者たれないルイの喉に詰まった言葉が苦しい、
ドランの演出もすごく変化していてソリッドになったように感じた。
クローズアップが多くて息苦しく、距離を取れない家の空気が伝わってきた。
この監督にはずっと全力で境を感じていて欲しい、またいつか映画撮って欲しいな。
音楽、センス良すぎる。