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たかが世界の終わりのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
1.2
【ドランが犯した2つの罪】
19歳でカンヌデビューし、
天才と言われた映画作家グザヴィエ・ドラン。ブンブンもオールタイムベストに「MOMMY」を入れる程好きだが、
この新作は明らかに大失敗だ。

いわば、「トム・アット・ザ・ファーム」のアンチテーゼなのだが、それが裏目にでてしまっている。

まず、一番失敗している描写として、
冒頭に主人公が何故12年ぶりに家族に会うのかを説明しているのが不味い。
「トム・アット・ザ・ファーム」では、
主人公のポジションを語らず劇中から観客が謎を解き明かすシステムにしていたので、その逆をやりたかったのだろう。
しかし、本作では登場人物の顔をやたらとクローズアップしているのだ。
つまり、登場人物たちの思惑を観客が推測することに重きを置いているのに、
最初に答えを明かす致命的な矛盾が発生しているのだ。招かれざる客が、自分の死を伝えることで家族に復讐する話なら、
最初にネタバラシしない方がいい。
会話劇として、また主人公を
悪魔的存在として、復讐譚として描くにはあんまりでした。

また、ドランお馴染みのDJさながら曲センスも今回は空回りしており、
本当にどうしたの?
という感じだ。

恐らく、自分の荒々しい作風からのエクソダスを図ろうとしている段階だろうから仕方がない。しかし、本作がカンヌで賞を獲ったのは、えーーーと驚愕でした。

長文レビュー↓
http://france-chebunbun.com/2016/12/14/post-9193/
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