sugaret

ハーモニーのsugaretのネタバレレビュー・内容・結末

ハーモニー(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

「人間の意識」にフォーカスした作品。日本は「ウォッチミー」という端末の導入により全ての行動が監視されて相対評価され、事実上「健康を害する行動」はとれない不自由な世界になっていた。
主人公のトォンは螺旋監視官という、なんだかわからん自治組織みたいなところで働きながら、ウォッチミーの影響を受けつけない民族とやりとりをして可能性を探っていた。
その世界に対して疑問を持つ少女ミァハは自殺することで世界に抵抗をしようとするが失敗する。その際に自分が元々「意識のない民」だったらしい。それが慰安婦として乱暴を受けるうちに意識が生まれてしまい、苦痛を感じていたということを知る。(思い出す?)
その状態に戻るため、ハーモニー状態にするトリガーを押してもらうように世界的なテロを仕掛けた。作戦は成功し、世界は意思を失った。

以下、感想。(原作未読)
・SFとして、思考実験として面白いと思う。意思がなくなると全員が合理的に動く、生物としては理想的な動きをするようになる、など。

・映像作品としてはかなり微妙に思う。無駄にカメラをぐるぐる回して会話シーンの間を持たせていたり、リモートでの通話のシーンはあまりにエヴァや攻殻機動隊の影響を受け過ぎているのではなど。もう少し「ワクワクする未来的な表現」があって欲しかった。
・CGと手書きが混じっていたのも違和感が強く、気持ち悪く感じてしまった。
・意思のない民族についてや、トァンがミャハに恋心を抱いていることの解説があまりにもないと感じた。

原作があまりに評価されているというのもあり、原作の表現を崩せなかったのだろうかと思ったが、百合展開になっているのは原作と異なる展開というのもあるようで、うーんという気持ちになった。
機会があったら原作を読んでみたい。
sugaret

sugaret