ツナマヨ

COBAIN モンタージュ・オブ・ヘックのツナマヨのレビュー・感想・評価

4.2
かつてこんなにもカートの内面を炙り出す映像作品があったのかと思うほど、
観ていて辛くなり、苦しくなり、心を抉られた。
これはNIRVANAの映画ではなく、Kurt Cobainの人物像に迫る最高のアートだと思う。

選曲、ミキシング、挿入されるアニメーションも最高だし、
カートの直筆の殴り書きや絵が効果的にインサートされていて、
生前のカートに近い人物たちが語るインタビューで浮き彫りにされていく彼の世界にどんどん引き摺り込まれていった。

コートニーのことはあまり好きではないし
(カートの妻だからってことではない)
世間的にあんなにもバッシングされていて、
二人から遠い人達が好き勝手妄想と虚言を並べてていたけれど、
二人はお互いに本当に必要とし合っていて、
それが若さ故の共依存なのかもしれなかったけれど、
カートとコートニーなりの愛だったんだなと思う。
フランシスをあやすカートの柔らかくて温かい眼差しが、
彼がただずっと欲しがっていたのは家庭だとインタビューされた人々が言っていたのを強く納得させた。

27クラブに数えられるカート。
痛々しいほど切ない。
たった1週間の限定公開じゃ勿体ない。

この作品の残念なところは、字幕の誤植が多すぎるところと、
エンドロール後の蛇足な監督のインタビュー。
本編で十分語り尽くされていると思えたし、
それでもまだ足りないと感じるならもっと仕上げればいいのに、そこは円盤特典でいいレベル。

観る価値10000%。
ニルヴァーナもカート・コバーンも知らなくても観たほうがいい。
本当に最高傑作。この作品に出会えてよかった。
ツナマヨ

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