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雀魔アカギのmenokiのレビュー・感想・評価

雀魔アカギ(1997年製作の映画)
1.8
「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」の「ニセアカギ編」を実写化した作品。

あらすじ

元刑事の安岡は伝説の代打ち“アカギ”の偽者を仕立て上げ、川田組組長に売り込む。
しかし、彼の正体を疑う川田は賭博麻雀の場に向けて密かに本物の赤木を探し始める。


前作の柏原崇が演じるアカギは、雰囲気だけは似ているものの、台詞の言い方や表情が全くアカギらしくなかった。
台詞に関しては、ただ感情なく台本を読んでいる感じで、音読が苦手な生徒が先生に指名されて無理矢理音読している時の読み方にかなり近い。
そして人間味が全くなく、悪魔じみた表情もなければ、相手を小バカにするような事も全然しない。
ただ感情の欠如した人間が麻雀を打っているだけにしか思えないので、前作のアカギには全くと言っていい程魅力を感じなかった。

それに対し本作の柏原崇が演じるアカギは雰囲気だけではなく、台詞の言い方や表情も原作のアカギに近いものになっていた。
相手を見下したような感じで小バカにするし、悪魔じみた表情もする。
そして、時折見せる満ち足りていない表情や雰囲気も見せるようになっている。
前作とは違い、本作はアカギと言うキャラクターをしっかりと演じ切っていたと思うので素直に褒めたい所だ。

だが、残念な事に柏原崇の演技を脚本が完全にぶち壊し、前作以上にアカギらしさがなくなっていた。
確かに、雰囲気や台詞の言い方や表情は原作のアカギに近いのだが、思考や行動が全くアカギらしくない。

アカギと言ったら、イカサマを見破られようが全く動揺することなく平常心を保っているのだが、本作のアカギは川島にイカサマを見破られるや否や、脱兎のごとく逃げだしてしまう。
また、逃亡中に相手を挑発するといった小者臭い事をし、それが原因で腕を失うような危機を迎える。

あれ??
アカギって、そこらのチンピラが束でかかってきても敵わないくらい強いんじゃなかったけ・・・。
あと、確かにアカギは相手を逆なでさせるような言動を放つが、自分が優越感に浸りたいといったしょうもない理由ではない。
スタッフは何か勘違いしているんじゃないか??

また、本作ではヤクザやチンピラから身を守る為にニセアカギと対局するのだが、ここが最もアカギの思考とズレており、アカギらしくない。
アカギは自分の生死に興味などないし、人生に意味や価値があってはならないといった己の哲学や死生観持っており、それを何よりも大切にして貫徹している。
そんなアカギが己の命を守る為だけに麻雀をする訳がないし、そういった理由で麻雀をした時点で何よりも大切にしている己の哲学を放棄した事になる。
果たしてそれはアカギと言えるのだろうか・・・。

あと、所々でアカギに不自然にカッコつけさせるのだが非常に違和感を覚えた。
喧嘩の時もそうだし、麻雀の時でもカッコつける。
アカギが中二病をこじらせたような感じがしたので違和感を通り越して不愉快でしかなかったが、最も不愉快に思えたのはハダカ単騎のシーン。
ネタバレになるので詳細は伏せるがあそこは絶対に自分で役を申告しちゃダメだろ!!
原作やアニメでもそうだったが、あそこは絶対に石川が役を申告するべきだろ!!

思うに本作のスタッフはアカギというキャラクターを勘違いしているんじゃないか?
アカギとは冷静さの奥に秘めた異常としか思えない狂気性を持っており、自らの信念と判断には命を賭けることも厭わない熱さを秘めているキャラクターなのだが、本作ではそれが全然描かれていなかったように思える。
確かに88分という短い時間内に浦部戦を収める為に、多少なりともストーリーや設定を変更しないといけないのは理解出来るのたが、「アカギ」を映像化する上で、絶対にそこは描くべきだと思う。

柏原崇の演技力も上がったし、浦部を演じる古田新太もかなり良くねちっこい感じや俗物感を上手く演じきってる分、非常に勿体ない。

原作やアニメでは浦部の雀力の高さを理解出来る様に描かれているのだが、本作を観る限りでは凄みを見せるシーンが僅かしかなく、しかも偶然に思えなくもないように見えてしまう。
対して、ニセアカギの凄みを見せるシーンの方が多いので、普通にニセアカギのままでも浦部に勝てるんじゃないかと思わせてしまう。

別に治は浦部戦で麻雀を打つ訳でもないので、どうせだったら川島に関する部分をなくし、他のキャラクターをしっかりと描いた方が良かったのではないだろうか・・・。

あと、キャラクターの外見でアカギの髪が長いのはまだ許せるが、川田組長がハゲではなくパンチパーマなのは許せない!!
本作では川田組長を中尾彬が演じているのだが、中尾彬の毛を全てむしり取ってでもハゲとして出演させるべきだったのではないだろうか・・・。

やっぱり「アカギ」はアニメで観るのが一番いいかな〜。