カルト教団ガイアナ人民寺院の集団自殺事件(1978) を元ネタにしたフィクションのモキュメンタリー。
史上最大のカルト宗教事件を模した怪村ホラーだが残念な出来だった。怪村モノは徐々に違和感が出てくる演出が肝なのだが、本作の場合は最初から怪しさたっぷりの上、悲劇への切り替わりが突然すぎて楽しめなかった。またカルト宗教の取り上げ方が表面的で、悲劇の道理も説得力が皆無なので興醒めだった。
現実の事件では信者918人が犠牲となったが、本作の設定は167人としている。制作陣自らスケールの小さい映画だと白状しているようなものだ。数字だけの問題ではなく、内容も本質に迫るような意志がまるで感じられないC級ホラーだった。
もしも人民寺院事件に興味があるなら「ガイアナ人民寺院の悲劇」(1980)のほうがまだ参考になる。