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サクラメント 死の楽園のtttttkのレビュー・感想・評価

サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)
3.5
日本では、2ちゃんねるの『検索してはいけない言葉』で、ネット世代にも多く知られるようになった、人民院集団自殺事件をもとにつくられたモキュメンタリー。あの有名な『死のテープ』を聞いて、トラウマになったネット民はけっこういるはず…。私は高校生のころにはじめて聞いた。悲しいやら怖いやらで、気持ち悪くなってしまったのが懐かしい。
人民院の思想について、思い出すことがあって、先日Wikipediaを読みなおしていたところ、映画が作られているのを知り鑑賞。
過激な終末思想に救済はない。宗教において、これだけは、はっきりとしているのではないかと思う。
キリスト教は世界で最も信者数の多い宗教ということだけれど、聖書を通読したことのあるクリスチャンは少ないと知って、とても驚いた。さまざまな事情があるのだろうけれど、それでは誰がキリスト・救世主に成り代わっていても、気付きようがないだろう。カルト宗教の教祖の個人的な解釈と、主義や思想とを合わせたような、いわば”経典のキメラ”を、信じざるを得ない人も出てくるだろう。日本と違い、物心つくまえから、信仰心だけが独立して心に在るばかりに。
だからこそ私は、どんなに難しくても、時間がかかっても、本が読めるうちに、いちどは自分で聖書を通読したい。言葉のなかで、出会うことを望んでいる。この気持ちをより一層強くさせられた映画でした。
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