まつこ

ボヴァリー夫人のまつこのレビュー・感想・評価

ボヴァリー夫人(2014年製作の映画)
3.5
不朽の名作がまたもスクリーンに戻ってきた。

ささやかな幸せを祈るだけだった彼女が満たされない心を持て余しどんどん奈落に落ちていく。

理想と現実の乖離。ぽっかり空いた穴は煌びやかな装飾品も男も埋めてはくれない。止まらない衝動が切なかった。

ワシコの着るドレスがどれも素敵。ちょっとシノワな赤ドレスもお気に入りだけど、個人的には藍染のようなはじめの質素な衣装が一番好き。色白の彼女にとっても映える。

食器はベルナルドのコンスタンスが使われていた。(ちなみにGGのブレアもご愛用)歴史ある釜だけどこのシリーズは新しめなのかと思っていたから意外だったな。やっぱり一脚だけでも買っちゃおうかな。

自業自得よって言われたらそれまでなのだけど、わからなくもない。何者にもなれず、誰にも必要とされなかった彼女がようやく見つけた居場所。でも、どれもまやかしの優しさだから欲すれば欲するほどすくい落ちていく。わかってて引っかかっている拗らせ系ではなく、純粋にハマっていく感じをワシコが好演。ちょっとワシコじゃ薄いかなとも思ったけど、ドロドロし過ぎず観やすかった。掻い摘んでしか知らないから今度読んでみたいな。…最近文芸映画観てるからかそんなことばっか言ってるな…今年中に何作かだけでも読みたいな。

ワシコのしかめっ面がすき♡

カリコレは時間が合わず断念した本作。当然だけど思ったよりエズラ・ミラーが出てこない…彼をもっと観たかったなぁ。ポスターに使うとか完全に配給の勝利だ。ちゃっかり釣られてるもんな。

男性より女性の方が響くと思う。
まつこ

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