カワウソのアイサツ

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のカワウソのアイサツのレビュー・感想・評価

1.0
致命的に退屈なのに、素晴らしく魅惑的な映像。

とにかくオープニングが好き過ぎます。
デヴィッド・ボウイのスペイス・オディティの曲に載せて、年代を追って握手して行くシーンはワクワクしました。
「地上管制塔からトム少佐へ……」曲の選択をした人の感性が好き過ぎる。
そして、パール星人の暮らすミュール星、流石オシャンティなフランス、想像の上を行きますね。
顔を真珠で洗って、お顔がピカピカ。
猫みたいなアルマジロみたいな不思議機能を持った生き物も可愛い。
ブレードランナーの街並みをごった煮にしたような街並みも魅力的。

しかし、主人公のカップルが致命的にイケてない。
目の下にクマを作ったブチャイクなヴァレリアンなんて、どんなに目が慣れてもドラッグでやられた残念な人にしか見えないし、恋人のロレリアン?も気が強くて眉毛が男梅みたいに太くて嫌い。
つくづくリュック・ベッソンとは、女性の好みが合わないと思う。
そもそもフランスが自由な思想の国とは言え、軍曹や少佐が司令官と横並びに偉そうな態度を取るのは如何なものか。

近頃珍しく120分を超える大作。
ゆっくり見たいと思う物をゆっくり見せてくれないから、カタルシスもへったくれもなく、ゴッチャリゴッチャリと時間だけが過ぎて行く。

セリフを外して、主役の二人の顔にモザイクを入れて、時間を90分にして、大きなスクリーンで観たら面白かったのにと思いながら、途中で飽きてしまった。

リュック・ベッソン……クセがすごいんじゃあ。