きぬきぬ

獣は月夜に夢を見るのきぬきぬのレビュー・感想・評価

獣は月夜に夢を見る(2014年製作の映画)
3.2
デンマークの海辺の田舎町、フォーカスのぼやけた風景はおとぎ話にとても良い雰囲気を醸し出していて美しいし、自身の異常に気づき惑うヒロインのソニア・ズーは魅力的で綺麗ではあるけれど、基本おとぎ話的で深みが感じられずエロもグロも控えめの中途半端さが否めない。
若く好奇心旺盛で自由でいたい年頃の娘には、母親の病の遺伝をどこまで理解出来ているのか、結構理由もちゃんと聞かずに勝手放題だし(苦笑)それはこれから、愛して守ってくれる青年の存在で気づいていくのかな。おそらく母親は夫と娘を愛していたから車椅子生活に甘んじていたのだろうから。でも娘を自分と同じ目に遭わせたくなかったんだろうな。
しかしなんで人とは違う差別視の上、不安や憎しみ、生存本能を増幅させるような苛め行為までするかな~。周囲の招いた結果は解り易い自業自得で愚か過ぎるし、危険視してるわりには甘く見過ぎてる。

半獣化した娘への父親の言葉に異形を愛した者のフェティシズムと哀しみが感じられたのは良かった。
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