このレビューはネタバレを含みます
ルームを観に行った時にポスターを見かけてずっと惹かれていた作品。ようやく観ました。
良かった点は、やはり映像美。牧歌的なロケーションと定点カメラで映すクラシックな構成。なるべく台詞を削ぎ落とた画で魅せる演出は、これぞ映画!と思えるものでした。
非常に静的でアート色の強い作品だからこそ、獣の凶暴性の描き方は物足りないところがあったかもしれません。血に目覚めるまでが冗長すぎて、ラブストーリーというのも後付感があったかな…という印象です。もう少しダニエルの視点で、人ならざるものを愛することの葛藤だったり、なぜ惹かれるのかという部分(ポスターだけで惹かれた私が言うのも何ですが…w)を掘り下げて観たかったです。
主人公を演じたソニア・ズーは本作が初めての映画出演ということですが、繊細で洗練された演技が出来る(本人は素かもしれませんが…それも才能ですよね)とても魅力的な役者さんだと思いました。