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グランドフィナーレのyukiのレビュー・感想・評価

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
4.1
🤔レビュー悶絶しました💦

原題YOUTH
監督は映像の魔術師こと、イタリアの奇才パオロ・ソレンティーノ。
日本版ジャケ写のゴールドに輝く豪華絢爛さに、華々しい人生のフィナーレを描出された作品を想像しませんか?

【あらすじ】
世界的なイギリスの音楽家であるフレッド(マイケル・ケイン)は80歳を迎え、作曲も指揮も引退。親友の映画監督ミック(ハーヴェイ・カイテル)とともにアルプスの高級リゾートホテルへやってくる。

【感想】
夢か幻か?どこまで現実かもわからない映像に翻弄された。
また、キャラクターの本質を掴み取ることが出来なかったため、フレッドも、ニックも、なぜあの選択に行き着いたのか。。

映像とキーワードが妙に印象に残る。
たびたび登場するヌード、ギルダ・ブラック、ミス・ユニバース、「ベッドで最高」、バイオリンの少年、会話のない老夫婦、某元サッカー選手と思われる男性のテニスボールでのリフティング、etc.
この断片的な印象は、フェリーニの8 1/2を観たときの当惑に似ている。

特に印象的だったシーンが以下3箇所
◆望遠鏡のシーン
若者たちに見える近い景色は未来、
老人たちに見える遠い景色は過去。
若者たちと新作の映画を楽しげに創っていたニックがそう説明していた。
今の私に見えるのはどちらの景色だろうか。

◆ミス・ユニバース
豪奢なホテルの前に広がる浸水する不思議な通路を、フレッドと擦れ違うシーン。
(日本版ジャケ写上部)
フレッドとニックが湯に浸かる浴槽に、神々しいまでに見事な肢体で登場するシーン。
存在自体が幻想的ながら、リアルだったのが
大ファンの俳優ジミーとの会話。

過去に出演した作品でロボットのミスターQ役を演じて有名になったものの、ミスターQと呼ばれることにうんざりしていたジミーは彼女にキツく応対する。そのとき彼女が彼に返した言葉と表情がすばらしい。
「私はミス・ユニバースに出れて幸せだわ。あなたはミスターQを演じて幸せ?」

◆フレッドの健康診断の結果を医師が告げるシーン(ここで原題の意味を噛み締めた)

歳を重ねると、肉体は否応なく衰えるのを目の当たりにし、興味や好奇心も半減してしまうかもしれない。
「外」に目を向ければ、前を向いて生きていく活力が生まれてくることを感じたい。

【追記】
◆オープニングの楽曲
The Retrosettes Sister Band による「You Got the Love」

https://m.youtube.com/watch?v=vANd9o22j5Y
歌詞(※英語)
https://www.musixmatch.com/ja/lyrics/The-Retrosettes-Sister-Band/You-got-the-Love
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