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グランドフィナーレのtのレビュー・感想・評価

グランドフィナーレ(2015年製作の映画)
4.3
欲望こそが人生、老いてもそれは変わらない。懐古趣味に終わらず今を生きようともがく、リゾートホテルに集う老人たち。
政治家、ミュージシャン、小説家とクリエイターお爺さんを描いてきたソレンティーノだが、今回も作曲家と映画監督、二人の老人にスポットを当てている。前作に比べ良い意味で脱力しておりテーマも明快、より大味かつ繊細な筆致に感じ非常に良かった。テーマこそ老成しているがこの画は若くなければ撮れないだろうな。
リゾートホテル内の他人同士が交わす視線劇もスリリング。背景にあるそれぞれの人生に思いを馳せざるを得ない。
走馬灯のように現れる過去の女たちのイメージには鳥肌。ほぼギャグのような幻想的演出の過剰さが目立つものの、ソレンティーノには個人的にこれぐらいやって欲しいと思っていた。
ミスユニバースも良いが、レイチェル・ワイズがたまらなく魅力的。
ストラヴィンスキーのエピソードはもっと掘り下げて欲しかった感ある。
邦題は個人的に許せない(趣旨違くない?)が、まさに原題「Youth」の一語に尽きる傑作。
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