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サウルの息子のveのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
3.9
極限状態で徹底して描かれる個人。カメラは常に人物を近距離から捉え、目前で起こる惨劇は、当事者の感覚をもってただぼんやりと感じられる。結局はあの地獄を完全に体感することなどできない。しかし、聞こえてくる叫び声や物音から、確実に恐怖が襲いかかってくるのです。
周囲を巻き込みながら意志を貫こうともがく男が、結局は大きな流れに飲み込まれてしまう。ここでの大きな虚無感は、僕たちが感じられる、当事者に近い感覚なのかもしれない。
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