はれりーまん

サウルの息子のはれりーまんのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
3.0
キレイなものはキレイに、汚いものは汚くが好きなワシには、絶対に合う映画だろうと思っていた。それはその通りであったのだが、全編にわたって、息苦しく窒息するような感覚が、ちょっと今の体調では受け入れられなかった。というのも、サウルの記録映画のように、ほぼ彼のアップで進行するのであるが、これがワシ的には距離感が近すぎるのよ。ずっと少し離れてくれって思いながら、近すぎて首をどこかに向けて痛いような状態を強いられる。途中、何度やめようと思ったか。
 内容の面でも、息子なのかどうかもはっきりしない遺体の埋葬にこれほどまでにこだわるサウルなのであるが、そこにはまったく共感できない。ゾンビ映画でも、よく埋葬してあげることにこだわるシーンがあるし、遺体を焼くことが死者の弔いとして良くない感覚を持つシーンもよくある。欧米や、多数の宗教ではそうなのかもしれないが、ワシにはわからない。わかる日本人ってどれほどいるのか。それだけで、この映画の理解は半減してしまうのでは。

そんなわけで、ただの疑似記録映画としてしか捉えられなかったのであった。