評価の高い作品ではあるのだが観終わって手放しで賞賛する気持ちにはなれなかった。リアリズムを抑えて重要なメッセージを象徴的に表現しているのだと思う。それはわかるがあまりにもサウルに都合よく事が運び過ぎて白けるのだ。強制収容所での絶望的で息詰まる雰囲気はよく伝わってくる。観ておいて悪くない作品だとは思う。私はナチスによるユダヤ人絶滅政策は実際にあったと思うしその歴史を後世に伝えていくことはとても重要なことだと思うが、映画業界にはホロコースト映画は必ず絶賛しなければならないというしきたりでもあるんだろうか。