あー

サウルの息子のあーのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
4.0
人種が違うだけで「人間」は
「部品」と成り得た。

いや、過去形ではない。
現在も進行形である。

程度は違えどグリーンブックや、
ブラック・クランズマンの人種差別の
映画が2019年いまだに取り上げられる所からみてもまだ見ぬ遠い未来まで語り継がねばならぬ事であると思ふ。

アウシュビッツでの2日間の出来事を
サウルの視点で描かれていたけど、
「ゾンダーコマンド」として仕事を与えられ同じユダヤ人の死体を処理している日々に想いを馳せねばポカンとしてしまうかもしれない。
運の良さにポカンとはした。
が、正しき心を見つけたサウルに神様からの贈り物なんだろう。

映画で見えない、この労働の日々を考えると命を奪われることと、それを毎日見ながら生きることとどちらが辛いのか。
と自問自答してしまう。

ナチスの麻痺したイカれた世界で、
心までも麻痺したから従うしかないのか。
反抗したら、その命までも危ういから生きる為には従うしかないのか。

こういう世界になるかも。
と未来に警鐘を促す映画も大切ですが
過去にこういう事があった。と過去から学んだ上でどの未来を選択するか考えて欲しい。

時代は変わるが今の時代からさらに
平穏な時代になりますように。
あー

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