かたゆき

ロブスターのかたゆきのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
2.0
奇妙な物語である。
舞台は深い森に囲まれた一軒の豪華なホテル。
見るからに冴えない中年太りした男がこのホテルへとやって来たことから物語は始まる。
男の手にはリードに繋がれた一匹の犬、彼の説明によるとこの犬はかつて人間でどうやら自分の兄であったという。
一見頭のおかしな男なのかと思いきや、彼を迎え入れたホテルの女性支配人から驚くべき事実が告げられる。
このホテルにはパートナーの居ない独身の男女が多数集められており、45日以内に相手のパートナーを見つけ相思相愛にならなければいけないらしい。
しかも、もし見つけられず独り身のまま期限を迎えてしまうと、その人物は動物にされてしまうというのだ。
そう、彼の兄もかつてこのホテルへとパートナー探しに訪れたものの失敗し犬に変えられてしまったのだ。
戸惑いつつも男は一匹の犬と幾多の独身男女と共に共同生活を始める。
ホテルを取り囲む森には愛を否定する反体制派が跋扈し、男を含む収容者たちは毎日猟銃で反逆者狩りを続けながら来る日も来る日もパートナー探しにいそしむのだった。
ただ無気力に日々をやり過ごす男の唯一の希望は、自分がもしパートナーを見つけられなければ一匹のロブスターに変えてもらいたいというものだった――。
特異な状況に置かれた男女の葛藤の日々を乾いたユーモアを交えて描いたシュルレアリスム劇。

コリン・ファレルやレイチェル・ワイズ、ジョン・C・ライリーという豪華な役者陣共演ということで今回鑑賞してみました。
この作品のポイントは、この独特のシュールな世界観を独創的と捉えるか、それとも監督の単なる独り善がりと捉えるかによって大きく評価が分かれるだろうというところでしょうね。
僕はぎりぎり後者です。
ユーモアと不条理、そして意地の悪いシニカルさでもって観客を煙に巻くこの監督の絶妙な匙加減は嵌まる人にはたまらないと思います。
が、僕のような嵌まらなかった人間にとっては苦痛以外の何者でもありませんでした。
ひたすら退屈。
とにかく頑張って最後まで観ましたが、後に残ったのは極度の疲労感のみ。
この分かったような分からないような大人のための寓話、興味のある人はまあ一度観てやってください。
僕はもういいです(笑)。
かたゆき

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