仰向けになったコリンファレル（眼鏡をかけて実に真面目風！）の股を少し開かせ（着衣のままです）、メイド役のアリアンラベドがスカートをたくし上げて円を描くように…って、なにこれ？｢あ、今日は勃つの早いわね｣｢もう少し頼む｣って、だからなんなのこれ？…ことほど左様に変な話なんだが、これは面白い。｢禁じられた遊び｣のギター二重奏とあわせるかのようにレイチェルワイズと盛り上がる、駄目だろそりゃ。ショスタコーヴィチの曲の一部らしいがターターターッがカット終わりに度々繰り返され、ちょっとゴダールを連想。森の木立、川辺の枯草、線路と高架の高速インター…、スタイリッシュに切り取られた風景を渡るファレルたち。整然と人々が並ぶ食堂でトースター責めを受けさせられるジョンCライリーが可哀想だ。情け容赦ないアンゲリキパプリア（洗面所で責められるファレルよ）、独身者リーダーのレアセドゥ（｢顔に土をかけろ｣）、鼻血女、ビスケット女、｢ナイフで刺せ｣という娘、ファーストシーンでロバを撃つ女。たどり着く処は…あああ。とはいえ、そりゃそーなるわと納得。セリフ等での前振りを律儀に回収していくので、設定は異様だが世界観は揺るぎない。
少し脱線するが石川慶｢アーク｣はこのバランスなら傑作になったのでは…。
