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ロブスターのKのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.6
衝撃的な結末だった。観客に結末の解釈を委ねるタイプの作品。私の解釈では、あの男はきっと土壇場で怖気付いて逃げ出したと思う。あの女性は彼が戻ってくるのを、ただただ暗闇の中で待ち続けるのかと思うと気の毒でしかない。彼女を愛していたはずなのに、視力を失ってからの冷め方よ。両思いは奇跡で愛とは脆いものだとつくづく思う。この作品の設定や世界観がまず面白い。相手との共通項を見出すことによって仲良くなろうとするもの。みんな動物になどなりたくないから無理して相手に近づこうとする。でも誰でもいいわけじゃないと選り好みをする。観ていて、いやもっと年相応の女性に声かけようよとか思ってしまった。無理して相手に合わせると、いつかはボロが出て関係は破綻するし。ホテルを襲撃した際に暴力に訴えるのではなくパートナーとの関係を破綻させるだけなのも良い。あの後、関係を再構築できるのだろうか。個人的に好きなベン・ウィショーとレア・セドゥがキャスティングされていたのが嬉しかった。
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