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ロブスターのumeのレビュー・感想・評価

ロブスター(2015年製作の映画)
3.9
舞台は独身者が収容されるホテル。パートナーがいない人は警察に捕まり、45日以内に恋人をみつけないと動物に変えられるという話。狂気じみているのに無機質な世界。無表情な役者、激情はスローモーションとクラシック音楽で表現。絶妙な間とラストシーンににじむ感情描写が最高。おもしろい!

伴侶の有無を「勝ち組」「負け組」としていて、守られながら恋に生きる人、愛情を捨てて自分の力で生きる人、さらにどちらにもつけない人為らざる者をうまく描いていた。そしてどこにもミスマッチなぽっこりおなかのコリンファレル…。個性がなく人に流されて自分をごまかしては逃げ出そうとする姿も印象的。町ではめちゃくちゃかっこいいのもすごくよかった。

パートナーを見つけるための鍵は「共通点」。誰かと似ている部分を見つけるとうれしいし、好きな人と似ているところがどこにもないと不安だし無理もしたくなる。なのに興味の無い相手から「あっ俺も俺も」「おなじだね」と言われると気持ち悪くて、試してしまったりする。嘘は当然ダメ。その辺りをきれいに写している世界の設定がほんとうにうまい。
そう、なんかね、これ共感してしまった。恋愛体質も禁欲も極端に振り切ると気持ち悪い。そしてたぶんこの感覚はだめ。反省。
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