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グレース・ケリー 公妃の生涯のくりふのレビュー・感想・評価

3.0
【プリンセス・エラ】

1987年制作、グレース・ケリーの生涯を1時間でさっと俯瞰するドキュメンタリー。

明らかに『グレース・オブ・モナコ』の便乗リリースですが、こういうのを付け合わせで味わえると、フィクションの方が暴走気味の時、バランスが取れていいです。

私はニコマンさんを見ていてグレースは遠きになりにケリー、になってしまったので、この何てことない小品でリハビリしました。

亡くなって5年後、衝撃もおさまり、振り返る余裕ができた頃の制作でしょうか。

彼女を知る知人たちのインタビューが多く、まあ定番ですが、殆ど褒めていますね。アメリカ時代の男性遍歴についても一切触れない、無難な作りです。モナコへも配慮したのでしょうが。

伝記をさっと読んでいたので、新たな発見はありませんでしたが、幼少時のフィルムは微笑ましいし、家庭での、彼女の負けん気が作られた土壌がわかり易かった。

映画女優時代は単純に、作品フィルムで振り返れて華やか、楽しい。改めて、決して美人じゃないなと思っちゃったけど。

昨年開催された写真展で実感したけれど、彼女は写真の方が美しいです。

個人的には、晩年にバレエの後援を行い、ワガノワ・バレエアカデミーの子供たちを追ったドキュメンタリー『劇場通りの子供たち』にナレーターとして出演していたエピソードが貴重でした。これ、みたいけどソフト化されないでしょうか。

…しかし晩年はグレースさん、エラ、立派になりましたねえ…(笑)。

ジミーさんのインタビューはありますが、ヒッチコックは亡くなった後なので登場せず、残念でした。

<2015.6.7記>
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