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X-ミッションのmatchypotterのレビュー・感想・評価

X-ミッション(2015年製作の映画)
3.5
速さや高さや過激さを求めるスポーツ、“エクストリームスポーツ”。
さらにその舞台が剥き出しの大自然。

観てるだけで目が追いつかない速さ、足がすくむような高さ、絶対に死を意識するような過激さ。

元々そのモトクロスバイクでその道を極めてた主人公が友の死と共に引退。
そこから、自分の戒めの如くFBI捜査官に。

そこで新人として教育期間中に、謎のアクロバティックな犯罪行為を行う集団の事案が発生。

彼は、過去の経験から、その犯人像を特定し、行動を予知することに至る。

研修生的な彼のその経験からくる推理や行動を信じ、FBI捜査官として、そのエクストリームスポーツに身を投じるとあるコミュニティに潜入し、犯人の特定するため操作をするのだが、、、。

この大自然の中で極めるエクストリームスポーツの殿堂としてオザキ8と呼ばれる“8つの修練”というグランドスラム的な8つの偉業があるという。

その危険度は想像を絶し、考案者したオザキすら成し得ていないという。

どうやら、何からの目的があって、犯人はその“8つの修練”を成し遂げようと世界を飛び回り、犯行に及んでいるのではないか、、、と。

この修練、ハンパではない。
バンジージャンプとかの瞬発的な怖さというより、圧倒的な自然に身を任せないと成功はあり得ないが、とても信頼して身を任せられなさそうな断崖絶壁や気が遠のくような高さ。

波にしろ、雪山にしろ、空にしろ、崖にしろ、今まで見たことのないようなロケーション。
とても美しく、力強い大自然。

FBIとして犯罪撲滅のために犯人逮捕の任務を遂行しようとしつつも、一度引退したとはいえ、この犯人に近づけば近づくほど、“8つの修練”に対する思いもある。

犯罪サスペンスでありながら、自分やこの修練に挑む人たちの自己啓発的なメッセージもあるような。

この危険と常に隣り合わせの競技と向き合うことによって見えてくる思想や、環境。

犯人逮捕のためとはいえ、再びその領域に足を踏み入れ、再びその雄大さや面白さに魅了もされる。

犯人にしろ、自分にしろ、その挑戦は何のためにやっているのか。
どうやら鋭利目的ではないようだが、かと言ってその先に何があるのか、何がしたいのか。

それは、そこに向き合ってる者にしかわからない究極の境地。

それが僅かながら覗き見できる気がする、とんでもなく雄大な作品。

結局、何がしたいのか、が伝わってきてもそうでなくても、見た目のスリル感はなかなかスゴい作品。

あのフライングスーツでの滑空はめちゃくちゃ気持ち良さそう。絶対怖くてできないけど、憧れる。
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