カタパルトスープレックス

太平洋の地獄のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

太平洋の地獄(1968年製作の映画)
3.6
リー・マーヴィン主演のサスペンス作品です。ドン・シーゲル監督『殺人者たち』(1964年)と『ポイント・ブランク』(1967年)で殺し屋を演じたリー・マーヴィンがカッコ良かったので、主演作を「おかわり」しました(二杯目)😍

今回も『ポイント・ブランク』と同じジョン・ブアマン監督作品となりました。前回はヌーヴェル・ヴァーグに触発されたネオノワールでしたが、今回もジョン・ブアマン監督の「前衛好み」が色濃く反映されています。見所は三船敏郎とリー・マーヴィンの渋い大人が仲良くイチャイチャするところです😍

舞台は小さな孤島。そこに漂流した日本兵(三船敏郎)とアメリカ兵(リー・マーヴィン)。二人は敵同士。二人しかいない孤島で憎しみあい、殺しあおうとします。しかし、二人が力を合わせないと、この孤島から脱出できないのだが……と言う話です。登場人物は二人だけ。舞台は孤島であったり、廃墟であったり。もう、すでに世界は滅んでしまったのではないか?そんな雰囲気です。

二人は当然ながら言葉が通じません。だから、この映画は極端にセリフが少ない。会話が成立しないですものね。行動でしかわかり合えないし、理解にも限界があります。理解と不理解の間を行き来するフラストレーション。それが最後に「爆発」してしまう……そう言う解釈でいいのかな?世界はすでに滅んでしまって、残った最後の二人の話。そう解釈することもできます。

そう考えると、なかなか奥深い作品ですが、セリフも少なく地味です。もうちょっと尺が短いといいのになあ。