Ryo

この世界の片隅にのRyoのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.0
この世界は理不尽で酷いことが起こるかもしれない。それでも生き続けていくしかない。

すずの大切なものが失われ続けていく展開とそれでも生きなければいけない世界を描いている。

ー辛そうに描かないー
辛い描写は出てくるもののとにかくその様子を悲しくは描こうとしていない。
円形脱毛症、旭町(買い出しに行った遊廓)の消失、広島を出ていく時の「さよなら広島」(広島が原爆により亡くなる事)など

右手を失ったあとの背景などは美術監督が本当に左手で描いていったそう。

ー陰で泣く理由ー
昔戦争で家族が亡くなり泣くと反戦反国家とみなされるため人前では泣けませんでした。

ーたんぽぽが意味するものー
物語のテーマとなっており、広島では黄色いたんぽぽであり呉では白いたんぽぽである。
黄色のたんぽぽも綿毛でふわふわした白いたんぽぽもすずを象徴しており最後には地に根付いていく意味を持っている。

ーかなとこ雲の伏線ー
かなとこ雲があると雨が降るというセリフは後に原爆が広島に落ちかなとこ雲の様に大きな煙があがる事を意味している。
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