タマユキ

この世界の片隅にのタマユキのネタバレレビュー・内容・結末

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

2016年の映画で一番良かったかもしれない。
一番のおすすめ映画です。ずっと感動で泣いてました。

第二次世界大戦で、ひたむきに生きる人々の姿。みんなが笑顔でいられるようになればいいのに。

絵は朗らかなアニメタッチで、最初見たときにはアニメっぽい感じでがっつりくるかと思ったらそんなことなかったです。

顔もよく知らない男の人の元へ嫁ぐすずちゃん。この時代は嫁ぐことは向こうの家の手となり足となり尽くしていくことと同義なのだと今更悟りました。人間が助け合って生きていく時代だった。

そしてこの映画のテーマとなる戦争ですが、戦時中でもその中で幸せを掴んで生きていく登場人物たちのたくましさや明るさが出ており、見ていて暗くならずに鑑賞していました。

すずちゃんと周作さんのキスシーンがきゅんとして、さん付で呼び合う夫婦っていいな…と思いました。水原くんに嫉妬する周作さんも、すずちゃんが広島に帰ると言ったときに喧嘩しながらもすずちゃんを愛する気持ちから覆い被さって守ってあげている姿も好きです。(水原くんとすずちゃんが二人きりで話してるとき、結構焦りました。原作を読んでないのでわかりませんが、周作さんが意図的にそうさせたのかもしれないですね。心が汚くてすみませんでした。)

食事のシーンでも、少しずつ少ない配給の中で工夫してごはんをつくる様子がとても良い。

義姉さんも芯の通った素敵な方ですよ。人前では絶対に泣かない。

個人的にははるみちゃんが亡くなってしまって、すずちゃんの腕がなくなることが判明するときの、何年の何月にはあれこれした右手…と何度も流れるシーンが鳥肌が立つほど映画としての表現がうまいと感じました。
苦しかったです。
あとは左手もあるし両足もある。ここにまだ五人いるのにの台詞のところ。現代とはまったく違った日本の姿です。

今こうして書いてるだけでも、表現できてない部分がたくさんあって悔しいくらいです。

何かを犠牲にしてでも手に入れたいしあわせってなんだろう?と考えさせられる物語でした。
そして、今を懸命に生きる前向きな気持ちにさせられる作品です。
タマユキ

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