このレビューはネタバレを含みます
戦争はある日突然起こるわけではない。
なんとなく世間や社会がゆっくりと加担していき、たわいもない日常が壊されていく。
そういう時代の空気感のようなものが淡々と粛々と、主人公の生活と気持ちとが共に描かれている。
戦時中だからって日々が特別なわけではなく、初めは特別だった空襲も次第に慣れていってしまう現実が恐ろしい。
後悔しても、何度記憶を巻き戻しても、あの日あの時一緒に繋いでいた手を、姪っ子を取り戻すことはできない。
どんなに辛い記憶があっても、それを隠して、忘れて生きていかなければならなかった時代。
だからお祖母ちゃんは、戦争の話をあまりしてくれないのかな。したくないし、思い出したくないのもあるだろう。
うまくまとまらないけれど、ひとりでも多くの人たちに映画館で観て欲しい。