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この世界の片隅にのnozomimushiのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
戦争を題材にしている映画だということで観る前に構えていた感じが、始まって5分ですぐに溶けていった。
日々の暮らしがとても丁寧に、ユーモラスに描かれていて、なんというかとても楽しいのだ。
その生活が長くは続かないことを私たちは知っているため、普通の生活がままならなくなっていく過程がとても辛い。
水彩のような柔らかで優しい表現も、後半の辛辣なシーンの表現も、アニメという手段でしかできないもので、この映画がこのかたちで作られたことに説得力があった。
どんなに辛い時も、笑ったり、ひとを愛したり…普通のひとが普通に生きてるんだということ。
この映画を観る前と観たあとでは何が違う気がするけれど、説教くさくはなくてすんなり入ってくる。
きっと、いろんなところのバランスが絶妙にとれているからなんだろうなぁ。
名作。
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