ここまで優しい気持ちで戦争について描かれたアニメを観れたことが未だかつてあったでしょうか。
戦争の話になるとどうしても目を逸らしたくなる。
それはフィクションのアニメですら。
やっぱり観なくていいならみたくないんですよね。
惨い現実なんて。
見たくないものには蓋をしたくなる。
火垂るの墓はそうでした。
心が苦しくて、あまりみたくない。
金曜ロードショーでやっててもチャンネルを変えてしまうと思うし、自ら見ることはそう無いでしょうし。
学校の道徳の時間でもないと見れません…
これは高畑監督の表現力がスゴすぎるからなんですけど。笑
戦争を次の世代に伝える作品って難しさがあると思うんですよね…
ましてやアニメともなると子供向けを第一に考えていますから。
まず子供が見てくれないといけない。
小さい頃から戦争について少しでも触れておく必要があるんだけど、それを教えるのって言葉だけじゃなかなか難しいのでアニメはそこの部分の重要な責任を担っている気がしています…
ただ、この作品は違う。
全体的にふんわりと優しい仕上がり。ほっこりしながら。
けど、しっかりと戦争の苦しさを伝えてくれる。
今までにはなかったタイプの作品ではないでしょうか。
それは絵のタッチもあるかと思います。アニメはフィクションだからリアルの惨さを少し緩和できる。
ただその中でも、監督の作品はタッチが優しい。
ただのリアルをありのまま描くのではなく、その当時の人の気持ちに寄り添って、その想いをそっと伝えてくれる。
なので見ていても目をそらさないですむんです笑
戦争のアニメって時代を重ねてニーズが違うような気がします。
大ヒットしたから、これが戦争アニメの全てだ。
っていうんじゃなくて、その都度その世代の人達に伝わる伝え方でデザインしていく。
今回、声優陣にも細谷君や小野田君がでていたり、なにより、ヒロインを高畑充希が演じることで優しさに溢れていたかな。って気がしました。
優しさに溢れた戦争のアニメ。
今の時代の最先端な気がします。