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湯を沸かすほどの熱い愛のKUBOのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.8
10月8本目の試写会は宮沢りえ主演「湯を沸かすほどの熱い愛」。

宮沢りえ×杉咲花! すごい映画を見た! 前半の肝っ玉母さん的演技から終盤の死相まで漂う鬼気迫る演技まで、宮沢りえの演技は日本映画史上に残る名演だ。娘役の杉咲花も主役に一歩も引かぬ熱演。2人芝居のシーンではすごい熱量の相乗効果を生んだ。

お風呂屋のおかみさん(宮沢りえ)が末期ガンで余命2ヶ月の宣告を受ける。亭主(オダギリジョー)は失踪中。娘(杉咲花)はイジメにあっている。さて、どういう展開を見せてくれるのかな?と楽しみに見ていると…。

この作品はいわゆる「余命もの」ではない。「泣ける映画」として売ってほしくもない。見終わった後で生きる力が湧いてくる作品なのだ。みんながみんな訳ありの家族を大きな愛で包んでいく母。時には強引過ぎるように見えるスパルタな愛も、貼られた伏線が回収されていく度に、涙と共にその愛の大きさに胸を打たれる。

余りに素晴らしい作品だったので監督は誰だろうと見てみると、「中野量太」。? 誰だ?
なんとこれが商業映画デビューの新人監督だという。しかも脚本まで書いている。おそるべき才能だ!

ただの「余命もの」「泣ける映画」ではありません。宮沢りえが演技しているとわかっていても、その死をリアルに感じることのできる、すごい熱量のある作品です。売り方が難しそうな映画だけに、見ないでスルーしてしまう人も多そうなので心配だけど、この宮沢りえの演技と中野量太という新しい才能を見ずにいるのはもったいない。映画ファンは必見です!

P.S.見終わった後にはしゃぶしゃぶや、蟹が食べたくなること必至!

松坂桃李がヒッチハイクしてたら女子なら絶対乗せるよね(^^)
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