Gong

湯を沸かすほどの熱い愛のGongのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.5
2016.10.30
訳ありすぎだろ!ってくらい家族全員何かしら事情があったのがちょっと惜しい。
父親は1年前いなくなったかと思ったら、浮気相手の子供の面倒みてて、その子の母親は逃げちゃって、長女はいじめ、実は母親が「おかあちゃん」ではないと後ほど知ることになる。自分の子じゃないのに愛情持って育ててるおかあちゃんは、自分の母には見捨てられていた……ちょっと不自然。せめてお母さん設定はいらなかった気がする、と。
杉咲花ちゃんと子役の子の演技はすごい。人の涙をそそるその演技は、わかっているのにほろほろ涙が溢れてしまう。
人間ピラミッドを作り、おかあちゃんに届ける家族の涙に感動し、それをみて「生きたいよ〜」とすすり泣くおかあちゃんも良かった。あと長女の実の母親をビンタするとこは、よかったと思う。そしてこの日のために娘に母親は手話教えてたってところに感動。
最後のお葬式シーン。自分の家の銭湯でおかあちゃんを燃やす、っていうのはすごい感動的で良い。が、そのための振り(霊柩車に乗せたふりをしてみんなでおにぎり)は別にいらなかったような。そして、あんなに必死に必死に最後まで生きてたっていうのに、銭湯に横になる宮沢りえが綺麗すぎる。もっと、おかあちゃんが頑張って生きた証、を表現した方がよかったような。
病室を訪れる画が杉咲さんだけなのも少し気になった。
遺体を燃やして湯を沸かす、とはなんともシュールで素晴らしい。

メモ:
6年前にもう土台はできていたらしい。純粋な家族の作品にした。
撮影前に課題を出していたらしい。
じめっとした映画にしたくない、完璧な人間にしたくない、普通のお母さんの物語にしたい。
かなり思い切ったラストに賛否両論。
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