Gong

あんのGongのネタバレレビュー・内容・結末

あん(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2022.4.06
映画を観終えて、家に降り注ぐ光のあたたかさを感じた。家にいる観葉植物たちの命を感じた。

"人生いろいろ"樹木さんがこの言葉を発すると、とても奥深く感じる。

"餡を炊いている時の私は、いつも、あずきの言葉に耳をすましていました。それは、あずきが見てきた雨の日や晴れの日を想像することです。どんな風に吹かれてあずきがここまでやってきたのか、旅の話を聞いてあげること。そう、聴くんです。
この世にあるものは全て、言葉を持っていると私は信じています。日差しや風に対してでさえ、耳を澄ますことができるのではないかとおもうのです。"
"わたしたちは、この世を見るために、聴くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくても、わたしたちは、わたしたちには、生きる意味が、あるのよ"
木と混じり合うように寄り添い、自然の一部かのようにそう語る樹木さんの言葉。
いつも、何かになりたいと思ってる自分、それができなくてむしゃくしゃしてる自分、そんな自分を否定し続けてきたけれど、
そんなことしなくていい、自分を受け入れてあげないと、と心から思える映画。

自然の流れに、自分の心に嘘をつかず、生きていきたい。
Gong

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