Frengers

湯を沸かすほどの熱い愛のFrengersのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
1.8
 非常に興味深い映画だ。なぜなら、ここ十数年間アメリカの映画が表現してきたような多様性や他者に対する想像力の希求とは間逆の表現だから。この作品は幸野双葉(宮沢りえ)を中心に進んでいくが、他者の状況や環境を理解しようという考え方がまるででてこない。彼女が思い、考えた結論が他者にとっての最良の答えになっていく・・・というプロットは独善的にすら映るものだ。他の先生方もいるにも拘らず、保健室でうな垂れた子供に向かって「好きな色は?」などと聞くだろうか。随所に配せられた青と赤の演出も台詞の言及によって精彩を欠いたものになってしまうのも残念だ。女性3人のドライブにおける髪型の統一からの個々の変化は面白かったのに。
 もし双葉が大統領になったらエルサレムを首都に認定するかもしれない・・・そんなことを思わせてくれる一作。
Frengers

Frengers