このレビューはネタバレを含みます
脚本と演出のレベルが高く、ただの病気ものではない。感動を備えながらも、クスッとしてしまうシーンを挟むことで、物語後半の双葉の死に対する家族の堂々の諦観と観客をつないでいる。
描かれているのは病に侵され弱っていく一方で家族のために強さを見せる母親の姿。そしてそんな母親に影響されて前へ進んでいく家族たち。誰一人として母親とは血が繋がっていないところも良かった。
しかし、部分部分でツッコミどころはあり、例えばいじめられていた安澄の対抗方法だけど、あれでイジメがなくなるのか…!?と思ってしまう。
あと9歳の子の前でラブホテルの話はあかんでしょ…笑
ドライブ中ずっとヒヤヒヤしてたわ。しかも道すがらでやっぱり倒れちゃうし。
あと惜しかったのは病に侵され変わり果てた双葉の姿を映してしまったところ。あれはなくてよかったんじゃないかな。人間はだんだん弱っていって死ぬわけじゃないし、死をあっけないものとして描くからこそこの映画のエンディングが映える。
オダギリジョーの演技はめちゃくちゃいいね。ただの駄目男に見えて根は良いやつっていう。日本のヒューグラントだな。
好みの問題だけど、双葉の言動を「人間らしい」と思うか「エゴ」だと思うかで評価が揺れるだろうな。