ナチスドイツの加害者は誰なのか。負の遺産の責任は誰にあるのか考えさせられた。ナチスドイツ時代、ユダヤ人を迫害し、傷つけたのは、兵隊や狂気だけではない一般の人々だった。戦争が終わり、謝罪の姿勢はみせたがユダヤ人を傷つけた、加害者が今も普通の生活を送っていることは暗黙の了解であった。誰も口を開こうとしない根本の問題は、世代が渡り忘れられた負の歴史となりつつあったが、一人の若手検事が記者からの告発をもとに当時の被害者から話を聞いていく、それは彼が知っているアウシュビッツとは全く違う話の連続であった。この歴史を忘れないようにと、一般人およぶ加害者全員を訴える裁判を起こそうとするが、彼は死んだ父がナチス党員だったことを知る。世代間の認識、加害者被害者の認識、歴史認識の難しさを改めて感じた。自分がその時代その場所にいたらと考えなくはいられなかった。
