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シャザム!のtuttleのネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シャザムになる素質を持った者にだけあの扉が開かれるので、シヴァナにも素質はあったんですよ。偶然にふるい落とされただけで。
シヴァナの家族関係を決定付けたあの事故も、起こるべくして起こったわけではなく偶然。
七つの大罪が解き放たれ後が無くなったシャザムは、次に扉を開いたビリーくんに選定もせずその力を明け渡すけど、これも期がズレていたら別の者がシャザムに選ばれていたかもしれないんですよ。
家族という定型、正しい者という定型から外れたビリーくん。
手に入れた力をどう使うかは、取り巻く環境から何を注がれたかで180度変わると思うし、ヴィラン側に立つifもあるかもしれない。
この物語の中には出自に定められた運命など無く、状況次第で何にでもなれることを下敷き描きながら、ストーリーはあっけらかんと進み、最後には純然たるヒーロー精神に収まるの最高じゃないですか?最高。
あとビリーくんが捨て子になった経緯が明かされるシーンを、必要以上にどちらかに肩入れした描写にしなかったこともすごく良かった。
フレディが自身の不遇を嘆くシーンを、誰かを糾弾するような描写にしなかったこともすごく良かった。
『シャザム!魔法の守護者』はひとりぼっちのビリーくんが家族を手に入れるお話で、自分が変わるために索敵して打ち負かすお話では無いから。

あと、もう二度とお目にかかることができないベンアフバットマンの残り香、バットラングで泣いてしまった。
あれは悪に対抗する人間の象徴で、何の力も持たないただの人間が投げて傷を負わせたことに大きな意味がある。
暗黒の騎士の行動とその精神がこの世界に根付いたからこそ、シャザムが守護者として確立したんだよ。
バットマンに肩入れしてる自分を再確認しながら泣きちらかした。
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