松長もんど

野獣暁に死すの松長もんどのレビュー・感想・評価

野獣暁に死す(1968年製作の映画)
3.7
仲代達矢が出演するマカロニ・ウエスタンと聞けば観ないわけにはいかない。

『用心棒 (1961)』や『切腹 (1962)』に出演している仲代の大ファンであったトリーノ・チェルヴィ監督のアプローチにより実現した本作。三船敏郎ではないところがまた良い(三船に出演を断られた可能性も大いにあるが笑)。
仲代演じる適役エル・フェゴの初登場シーンからいきなり短剣を披露するというリスペクトぶりや、主人公ビル・カイオワが一人一人仲間を集めて行くという『七人の侍 (1954)』方式の物語展開にも思わずニヤリとさせられる。

さて、こんなマニアックな作品をご覧になる方であればご存知の方が殆どであると思うが、マカロニ・ウエスタンの原点は黒澤明の『用心棒 (1961)』に感銘を受けたセルジオ・レオーネが製作した『荒野の用心棒 (1964)』である。
したがってマカロニ・ウエスタンに仲代達矢が出演しているだけでも非常に感慨深いものなのだ。