にゃんにゃん

のけぞる女のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

のけぞる女(1980年製作の映画)
3.6
加藤彰監督、助監督は黒沢直輔、撮影は前田米造。脱獄して民家に押し入って強姦とか、男がやってると全く違和感なく観られるんだろうけど、風間舞子がやってるのでなんかすげーってなって、男っていつもこんなことやってるんだなー欲望に生きてるんだなーバカだなーとすっごいアイロニックに感じる。中盤まではそんな男への風刺がすごいきいてて刮目するんだけど、結局女ならそうなるよねって感じで夜の街で生きていくことになるので、「性欲お盛んな過去のある女」のお話へと失速していく。全体的にあんまし加藤彰っぽくなくて、黒沢感のほうが強い気がする。頭足りない奥様役で観ることが多かった風間舞子が、頭足りない女囚役でめちゃめちゃ輝いている。この人はこういうスレた役がハマるんだなー。なんだかんだ高潔で清楚だった女囚さそり・梶芽衣子とは違う、性欲しかないバイオレンス女囚。だけど少し一途さが見え隠れするあたりの設定がなんか一貫性がない。と思ったら私が苦手な池田正一脚本だった。富士山が見える夜明けの線路とか、米造カメラがたまらなく美しい。唐突に挟み込まれる「愛に濡れたわたし」、中川梨絵がキャハハハハって笑ってたことしか思い出せないのでもう1回観なくちゃ。
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