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ミニー・ゲッツの秘密のmasayaanのレビュー・感想・評価

ミニー・ゲッツの秘密(2015年製作の映画)
3.0
『ゴーストワールド』ミーツ『ニンフォマニアック』という前評判も頷ける、セックスに絡め取られた十代女子のこんがらがりダイアリー。海外での批評では年間ベスト級に賞賛されていた作品ですが、日本では劇場公開もなくDVDに直送。まあ、それも納得と言うか、どちらかといえば地味なサブカル女子の承認の問題、となると、市場の反応は見込めなかったのだろう。オープニングショットで「今日、私はセックスをした」と始まるのでビックリ。70年代の西海岸、ドラッグとコミックにのめり込んでいく少女の目に映る世界は、虚実入り混じった不安定な代物。それを実写とアニメーションを混合により描き、画面のタッチは悪くない。このくらいの年の女の子は基本、自分がブサイクだと思っているのだろうか、とにかく混乱していて、急激に変わっていく自分の身体の、その大人でも子供でもない半端さに苛立ちながら、ママの彼氏とガッチャン。あるがままの自分を認めてくれるコミックの世界と、あるがままの自分(の身体)を求めてくれるセックスの世界は彼女を救うのだろうか? しかし内面を語るモノローグがいささか多く、「日記」という体裁と整合する場面ならともかく、男と女が握手をするクライマックスの勝負どころで現在形の自分を解説してしまうのは、この監督が観客と映画のいずれをも信頼できてない残念ポイントである。
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