mGmG

残穢 住んではいけない部屋のmGmGのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

論評雑誌『ユリイカ』のJホラー特集で何度も名前が出てきたので。大学生の時にBGM代わりに流し見した事を後悔するほど面白かった。

Jホラーの雛形である「呪いの根源」への探究によって救いの道や破滅の道が示される物語とは違い、もうすでに完了している事をただ観察することしか出来ない恐怖が新鮮だった。リングのように対処法がある訳ではないし、呪いの正体である霊におそらく感情もない。ただ積み重なっていった穢れがばら撒かれているだけだった。

そして最後に訪れる恐怖のカタルシス。霊の描写を期待すれば落胆するだろうが、演出やシチュエーションが良かった。今まで少しずつ丁寧に消化していたものを現在の時間軸に大量発生させ爆発する。しっかり子供の誕生日の映像のところとか怖い。よくそこまでマグマを溜めておけるなと思う。

あちら側のルールを知れば解決する訳ではなく、既に施工されていたと気付くだけ。しかもルールなど無かった。ただ穢れの蓄積があるだけだった。事実の蓄積は捻じ曲げられず、逃げられないという恐怖を味わえて満足。
mGmG

mGmG