SPNminaco

イコライザー2のSPNminacoのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
-
1作目を観てからかなり間が空いたけど、ホームセンターのカリスマ店員から5つ星タクシー運転手へ転職したマッコールさんは、相変わらず読書家で、流しの殺しは時間に正確だ(とはいえ時間にあまり意味はない)。大幅スケールアップして海外出張から始まるマッコールさんと人々のふれあい旅には、残忍な暴力が付きもの。悪に大小なし、俺がやらねば誰がやる。
そんなマッコールさんにとって殺しは、心の喪失を埋めるセラピーなのだった。失われた肖像画、汚された壁画。葬られた「死人」マッコールさんに新しい絵は描けないが、迷える若者を(力づくで)更生させて未来を描かせる。だが、今回の敵はマッコールさんの鏡である。どちらも優しさと残酷さの二重人格、同じことをしながら違うものを選んだだけ。2つの矛盾した顔を持つ相手を「一度しか殺せなくて残念」と言うマッコールさん自身には矛盾がなく、一度死んでるので通用しない。一方、相手は鏡(マジックミラー)を撃てなかった。
マッコールさんの心模様は空模様。窓の外で木を揺らす風が徐々に強くなり、雨が降り、クライマックスは嵐の中。素浪人のDIYではなく個VS組織となった続編は、理詰めな脚本とかアクションがジェイソン・ボーンのシリーズに近い印象。自分の分身が相手で始まりの場所へ帰るというのは『スカイフォール』みたいだし、1人VS軍隊の市街ゲリラ戦になるのは『ランボー』みたいだ。といっても、マッコールさんにはMもトラウトマン大佐ももういない。すべて断捨離したら、孤高の殺し道を行くだけだ。
善人にも悪人にも見えるペドロ・パスカルが申し分なく素晴らしい(実は渡辺徹に似てる…と思っちゃった)。よくあるホラーやアクション映画だとちゃんとトドメ刺さなくて後で困ることが多いけど、さすがマッコールさんは仕事がきっちりしてますな(街ごと壊してるが…ぜんぶ嵐のせいに?)。しかしやることがもう忍者、作画・白土三平って感じだった。
SPNminaco

SPNminaco