snatch

ハッピーアワーのsnatchのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
3.7
㊗️観ました‼︎一気に317分🙌
うまく感想を書けない自信はあるが記念に書いてみよう✏️
中身に触れています。

……途中から人が丸い円に見えてきた
円と円が重なりあったり弾いたり転がったり…その円はしぼんだり歪になったり…この作品は幾つもの円がまるでワルツを踊っている…どんな人であれ四角には見えないところは温かい映画でもある…

人と人は特に男女は、心が波打っているのに相手に向かい合わないと、時は無情に二人が結びついた関係性を削っていく、それを自然に見せていた…

相手との時間が貯まるにつれ、薄まっていく感情
僕は外の事、君は家の事をと絶対に分けられないのに分けるから、好きあっていた二人の気持ちは遥か遠くへと、桜子の世界と良彦の世界はどんどん離れていく…
桜子は自分が死なないように、私を大事にしてあげないと、と決めた。
毎日想像力が忙殺されていく男と自分の狭まっていく囲いに埋もれていく女。まだなくならない結婚した男女に起こるであろうこの日常は自然であった。

純の夫の物理学者の公平と、身体の重心を探るワークショップの講師鵜飼は真逆の人間に見えた。
公平は巧みに単語を並べ小説の解釈も繊細に行える。でも、純のことは見えていない。裁判は無駄だ、時間と金の浪費だと純が百も承知の事しか言えない公平は大バカ者だ😤二人にはこずえさんの小説に心を動かされるという共通点もあったのに…
鵜飼の妹が言った兄は空っぽですよ、には驚いたが😳そう言えば彼はいつもどう思いましたか?と問う。相手に話してもらう。自分は語らない。いいのかも…観ていた時は何じゃコイツと思っていたが、純を逃し、信用失くしたが純の居場所は公平から守った鵜飼くんと思いたくなってきた。🙄鵜飼くんは今何しているのかな🐦

身体や心の重心を探すって、頭にも心にも寄りすぎず足にも重りを付けないように、お腹が鳴るように自然に無理せずに生きていくことなのかなとも思った。

もしも、夫が他の女性を見ているのがわかったら…寡黙に過ごす芙美。夫拓也も聞かれないから答えない。その行き着く果てへのキズは大きい。

もしも、もう心が死んでいたら、純のような強さが生まれるのか。私にはわからないけれど、ただただエールを送る🚢

最後は皆んな、ひとりずつが息を吹き返し、誰が何と言おうと自分は私で生きていく。

看護師のあかりには、社会の中にまたひとり、あなたがいてよかったと思ってくれる人が増えた。これは本当に嬉しい積み重ね。

あと、最初ここまで本音で叩き合うような関係はあるのかと思って見ていたが、羨ましかったのだ。大人になればなるほど私は、仲の良い女友達でも遠慮や謙遜に近い気遣いが大事だと思っているので…私にはハラハラする会話もたくさんあったが、彼女たちは相手が求めている時はそれに正直に真剣に応えてあげていた。傷つきたくないと思っていると、相手から求められることも自分も求めることもないのだろう。
それを超えた彼女達の関係は、純の旦那に対しても堂々と、彼女を私たちの元に返してとまで言えるんだなと思った。
本当に自然な対話が続いていました。

作り方は、あのワークショップの様子映像から始まり、日本中のどこにでもあるような日常生活、打ち上げの会話劇、朗読会と、挑戦的な構成の五時間で新鮮でした。オープニングは美しいです✨

凄いと思って観ていたのですが、最後に急に興醒めした流れが。後半に続くアクシデント。違う表現はなかったのかなあ…とずっーと今も考えている🤔

加筆✏️なんかこれ観たら、私には近づけなかった近作二本のポイントを少し上げました。この監督さんは、初期から辿っていく方が、こだわるテーマの人と人とのコミュニケーションや自身への向きあいなどが理解しやすいような気がしてきた…
snatch

snatch